2013/09/25

テレビタミン 村上美香の子宮頸がんに関する放送について


きょうのテレビタミンで
私が子宮頸がんにかかり、手術〜完治までのことを放送しました。

そして、放送後、視聴者の方から沢山のメールやファックスをいただきました。
番組を見てご意見をお寄せくださった皆様、本当にありがとうございます。

きょう何故、番組で私の子宮頸がん体験を放送したのかについて、私の思いを書きます。




私は4年前に、取材を通して初めて子宮頸がんについて、詳しく知りました。

その時は、頸がん患者さんたちの涙ながらの体験談を聞きながら
子宮を失う事の悲しみ、命の不安、いろんなことを教わりました。

患者さんたちは口を揃えて
「この病気の事をもっと知って欲しい。女性には検診にいってほしい」
と仰っていました。

だから私は毎年、検診を受けていました。

 私は自分が病気になる前から、子宮頸がんについて取材をしていたので
「がん」と言われてもパニックになりませんでした。

それでもやはり「がん」という言葉は重く、時々とても悲しい気持ちになりました。

もし、子宮頸がんのことを何も知らない中で急に「がん」だと診断されたら、
怖くて詳しく調べる事なんてできなかっただろうと思います。


子宮頸がんは性交渉を通してウイルス感染します。
性交渉という言葉から、偏見も多い病気です。

でも、特別な人がかかるものではなく、大人の女性であれば
約8割が一生のうちにそのウイルスに感染するということはあまり知られていません。

女性の誰もが「子宮頸がん患者予備軍」決して他人事ではないのです。


私は治療中、お医者さんに

「早く見つかって本当に良かった。もし発見のタイミングがずれていたら、
子宮や命も失っていたかもしれない」

と言われました。

何も痛くない、何のサインもない、そんななか、
私の身体は蝕まれていたかもしれないのだと。

今、世の中では沢山の女性達が子宮頸がんと闘っています。

私はたまたま早い段階で見つかりましたが、
子宮を摘出した人、
妊娠と同時に子宮頸がんがわかり赤ちゃんをあきらめなければいけなかった人、
そして命をなくす恐怖と隣り合わせの人。

本当に本当に、たくさん、いらっしゃいます。


私のおばは、数年前、子宮頸がんで亡くなりました。
症状が出た時にはもう、手術ができないほど進んでいました。
おばは、ずっと検診をしていませんでした。


私の友達は子宮を摘出しました。
12年ぶりの検診でみつかった子宮頸がんでした。


 そして、今の検診率の低さ。
熊本県では全体でも3割を切っています。
しかも子宮頸がんが急増している20代に限っては、
約8%の人しか検診を受けていません。


それは、子宮頸がんの正しい知識があまり知られていない結果だと思います。


子宮頸がんの正しい知識が世の中に広まっていて、
検診の大切さを当たり前のように誰もが分かっていたら、
おばの命が助かっていたかも知れませんし、
友達はもう一人、子どもを授かっていたかも知れません。

そして偏見にさらされる患者さんがもっと少なかったはずだと思うのです。


子宮頸がんは、5年から10年かけてじわじわと進行して行くのが特徴です。

ということは、
ガンになっても検診で早い段階で見つけるチャンスをくれるガンなのです。

検診は面倒だし、緊張する婦人科、診察台にのぼる時の嫌な気持ち、よくわかります。

でも定期的な検診さえしておけば、自分で自分の命を守る事ができます。

若い娘さんをもつお母様たち。
若い女の子達にとって、ひとりで婦人科にいくのはとても怖く恥ずかしいそうです。
娘さん達と一緒に検診をうけ、子宮頸がんから守ってあげてください。


子宮頸がんは女性だけの問題ではありません。
男性も病気の事をきちんと知り、大切なパートナーを守っていただきたいです。

もし周りに子宮頸がんにかかってしまった人がいたら
全力でサポートをしてあげてください。

患者さんにとってパートナーや家族、周りの人の支えはとても大きい力になります。

 私は子宮頸がんにかかって、女性としての自分の身体を見直す機会を得ました。

女性は概して、旦那さんや子ども達のために日々生きて、
自分のことは後回しになりがちだと思います。

だけど、女性の皆さん、自分の身体を気にして自分を大事にしてください。
そうすることが結果的には家族や、大切な人を守る事になると思います。

いま、私は完治したと言われました。
そしてまた元気に日々を過ごしています。

定期的な検診をしていて本当に良かったと思っています。
そしてこれからも定期的な検診は欠かさないつもりです。

一人でも多くの女性が子宮頸がんのことを正しく知って、
検診に足を運んでもらえるようこれからも取材を続けます。