2015/04/24

イメージだけでは分からないこと。


熊本市食肉センターに
行ってきました。


このブログでも
何度もご紹介している
元食肉解体作業員
坂本さんの前の職場です。


以前は牛や豚、馬のと畜を行っていた
熊本市食肉センターは

施設の老朽化などを理由に
近いうちの廃止が決まっていて
今は馬だけのと畜が行われています。

最近は最新鋭の機械を使って
と畜が行われているところが
多いですが
ここは、昔ながらの手作業です。

その作業を
間近で見せて頂きました。

「食肉センター廃止の前に
この目で見ておきたい」と
臨んだ今朝、

実際に見てみるとなんというか、
もう、言葉では表現できないほど、
とても感動しました。

ここで働く人達は
真正面から、
“いのち”
に向き合っていたからです。

食肉解体作業員さん達は、嫌でも
動物の最後の瞬間に立ち会わなければ
いけません。

さらに
作業員さんたちの仕事は
命がけです。

大きな動物を前に
少しでも気を抜くと
“やられて”しまいます。

そんな緊張感の中で

腰につけた
小さなナイフ3本と
ヤスリだけで
流れるようにすすみ

短い時間の中
長年の勘と技術、
そして丁寧な仕事で
本当に美しい
お肉になっていきました。

悲しいことに昔から
この仕事を

「残酷だ」

という人たちがいます。

だけど、
現場で働いている人たちの仕事と
その思いを知れば

「なんとなくのイメージ」

だけでものをいうことの
恥ずかしさを思い知らされます。

本当に残酷なのは、
美味しい肉が
食べられることを当たり前だと
思うことや

命に感謝することなく、食べ物を
無駄にしてしまうことなのでは
ないでしょうか。




私たちが家の食卓で、
あるいはレストランや
焼肉店などで
美味しいお肉を味わうために

いのちと
真正面から向き合ってくれている
人たちがいる

そんなことが
頭の中の知識としてでなく
ストン!と胸の中に入ってきました。

動物たちの尊い命と
食肉解体作業員さんたちの
命がけの仕事

見せていただいてよかった
心から思いました。