2014/04/07

子宮頸がんについての質問④〜性交渉のない女性はHPVに感染しない?〜


4月6日の子宮の日セミナーで
寄せられた、
子宮頸がんに関しての質問に
熊本大学医学部附属病院の田代医師が答えて下さいました。

子宮頸がんの理解を深めるため、
シェアします。

子宮頸がんの主な原因は性交渉による
ヒト・パピローマウイルス(HPV)の感染と言われています。

そこでこんな質問。

「一生涯、性交渉の経験がない女性は
ヒト・パピローマウイルスへの感染の
可能性はないのですか?

また、性交渉で感染する
可能性があるということは
ヒト・パピローマウイルスは
男性の精液の中に
入っているということですか?」
(20代女性)





田代医師

「2つの重要なポイントがあります。

1つ目は、性交渉がないという方で、
ヒトパピローマウイルスの感染による
子宮頸癌の発症があり、

性交渉がなくても感染 することはあるであろうとされています

女性の外性器、外側の外陰部や
肛門周囲などでも
ウイルスの感染はみられます。

そのひとつの根拠は最近若い人の
ヒトパピローマウイルスの
外陰癌の前癌状態が、
子宮頸癌と同様に増えてきている 
という事実があります。

ウイルスは必ずしも
腟の奥の方にだけ感染するものではないということです。

男性にしても同じで、
精液の中で
ウイルスが増えているというより、
外性器である陰茎や陰嚢、
あるいは尿道の粘膜面に
ウイルスが感染しています

男性の場合、
精液は尿道を通ってでてくるので、
尿道の粘膜にあるウイルスが
精液の中に混入されます。

精液がでない状態でも、
陰茎の表面の皮膚には
ウイルスが 存在するので、
腟の粘膜と直接接触することで
感染する危険はあります。

2つ目ですが、
ヒトパピローマウイルスの
感染がない子宮頸癌が存在し、
最近、注目されています

特殊なタイプで頻度は少なく、
圧倒的にウイルスが関連していることは間違いないのですが、
ウイルスの存在しないタイプもある
ということは知っておく必要が
あります。

大学病院においても、
性交渉を全く経験されておらず、
この特殊なタイプの子宮頸癌で
亡くなられた方がおられます。

このような点からも、
性交渉をもたれていない方でも
子宮頸癌になる可能性は
低いながら存在しますので、
時には検診を受けていただいた方が
良いかと思います。」